2012年1月19日木曜日

"SAGE VALLEY MOTORCYCLE RACES"

"SAGE VALLEY MOTORCYCLE RACES"
ステンシルTシャツ


 サンフランシスコより少し南の小さな街、SAGE VALLEYで毎年独立記念日の週末に開催されるローカルレース、"SAGE VALLEY MOTORCYCLE RACES"。
 地元のガスステーション、ACE GASOLINEのスポンサードで街の道路をコースに仕立て、街全体がレース場となり、近隣からのレース愛好家達で毎年エキサイティングなレースが繰り広げられていました。

 毎年街をあげてのお祭りとしてモーターサイクルカルチャーの盛り上がりとともに規模を大きくしていたレースでしたが、50年代のある年だけは少し様子が違いました。

 その年のメインレース、序盤こそ着実に周回を重ね、優勝候補のライリー・アンダーソンを先頭に、残すところ最終ラップという時に彼らは現れたのでした。
 レースオフィシャルの制止を振り切ってコース内に入って来たのは数十台のモーターサイクル。
ブルージーンズに黒いモーターサイクルジャケットを着た、いかにもよそ者の男達は、最初こそレースを静観していましたが、突如コースに侵入し、オフィシャルと小競り合いになります。
 街の住人にアウトロー呼ばわりされたのをきっかけに、一発触発の雰囲気になりますが、それを見ていた保安官の毅然とした態度に、事なきを得たのでした。

 その後、保安官達により、アウトロー達は街の外へ誘導され、レースも再開されましたが、表彰式のときになって、2位のトロフィーがなくなっているのに気づき、幻の表彰式になってしまったのでした。

 翌日の新聞で数十マイル離れた町での敵対するバイカー同士の抗争に端を発する事件を知った住人達は、消えたトロフィーの行方を察したのでした。

 マーロン・ブランド主演で1953年に公開された、バイカームービーの古典作品、「乱暴者」"The WILD ONE"の冒頭のレース場のシーンに登場するレースがモチーフになっています。
 わずか十分足らずのシーンですが、オフィシャルの腕章がステンシルだったりと、時代背景的に、スタッフ用、またはお土産用に制作していたと思われるイメージで制作しました。

"SAGE VALLEY MOTORCYCLE RACES"
ステンシルTシャツ
Col.WHITE
Size.32,34,36,38,40



2012年1月9日月曜日

"Panther Mark Power Lub Oil"

"Panther Mark Power Lub Oil"
ステンシルTシャツ
  こちらの図案は、30年代のモーターサイクルシーンの写真からサンプリングした書体"Power Lube OIL"に、架空のアドバタイジングキャラクターを制作してみました。
 モーターサイクルオイル"Power Lube"の広告キャラクターとして、選ばれたのは、黒豹の吠える正面の顔でした。

 モーターサイクルに欠かせないオイル。エンジンシリンダーやベアリングにとって血液とも言えるオイルには、黒豹のように静かに動き回り、エンジン各部へ流れるように行き渡り、金属部にまとわりつき、スムースな回転と力強い鼓動を発揮する、パンサーマークのパワールブオイルをご使用下さい。
 各部ベアリングにはパワールブグリースをご使用下さい。

プリントはフロントにブラック単色で1つ、ホワイト、グレーボディに加えて、ナチュラルボディも制作しました。

"Panther Mark Power Lube OIL"
ステンシルTシャツ
Col.White,Gray,Natural
Size.34,36,38,40



"Aces M.C. Club"

"Aces M.C. Club"ステンシルTシャツ



 デザインモチーフは、40年代から50年代にカリフォルニアにて、活動していたハーレーを中心とした架空のモーターサイクルクラブのチームTシャツです。

 あくまで架空の設定ですが、Aces Motorcycle clubは、50年代以降の、「乱暴者」に代表される、アウトローイメージのモーターサイクルチームではなく、それ以前のクリーンなイメージのあるモーターサイクルクラブで、40年代、大戦後の帰還した若者達が、純正パーツでチューンナップしたハーレーダビットソンを持ち寄り、各地のローカルレースを転戦しながらツーリングを楽しむ目的で発足しました。
 
 戦前のモーターサイクルクラブは、"AMA Gypsy Tour"等に代表される、そろいの純正セーターやポリスタイプの刺繍入りユニフォームという出で立ちでしたが、戦後、40年代から50年代の、その後のホットロッディングにも通ずる、少しラフな、クラブユニフォームとして、Tシャツを制作しました。
 クラブロゴは、40年代に多く見られる、筆記体を使い、シンプルなグラフィックと共にフロントに入れられ、バックには、当時のローカルレースのレギュレーションにより、赤いインクで、クラブ名と、ゼッケン番号が入れられています。

 "Aces M.C. Club"
ステンシルTシャツ
Col.White/Black Trim,Gray/Black Trim
Size.32,34,36,38,40
Dealer.Dempsey Clothing

2011年6月9日木曜日

"Wash sample"

 ステンシルプリントは、型に切り抜いた版(Stencil)に直接顔料(Ink)を吹き付けて制作しています。Tシャツプリントでは一般的なシルクスクリーンプリントとは違った効果、経年変化が味わいとなっていきます。
 新品の状態から、洗い、着用を繰り返すと、このようになっていきます↓
"Black on Trim White body"
 黒いインクがなじんで柔らかい印象に
 "Black and green on Trim White body"
 グリーンの部分にステンシル版による独特の滲みが出ています。
 "Black and burgundy red on Trim White body"
 ボディーの生地と共に程よくかすれていって味わいが出てきます。

 製版やプリント行程が単純な為、古くから簡易的なマークや看板等に多用されて来たステンシルですが、その独特な文字の形(抜き部分にブリッジと呼ばれるつなぎが入る)や、精密さとは真逆な荒々しい雰囲気、1つ1つ違った仕上がりに味わいが出やすい等、シルクスクリーンとはまた違った魅力がある技法です。


 以前、THE RIGHT STUFF, ADJUSTABLE COSTUMEとのトリプルネーム企画で制作したステンシルTシャツを、ADJUSTABLE  COSTUMEの今期のTシャツの1つとして制作させて頂きました。→ADJUSTABLE COSTUME(制作過程も一部紹介して頂いています)
 


 また、現在、新作企画数種進行中です。 

2011年5月9日月曜日

"BROOKLYN CHAMPION"

"BROOKLYN CHAMPION"
ステンシルTシャツ
新作の紹介です。


 1600年代から、1800年代まで、雄牛と戦う見せ物の為だけにイギリスで生まれBULLDOG。
残酷な見せ物を禁止する法律によって、愛玩犬として飼われるようになり、現在でも知られる、足の短い、頬の垂れた姿になっていったようです。


 アメリカに渡ったBULLDOGは、本来の姿(足が長く、大型で、気性が荒い)で番犬として飼われる事が多いようです。


 50年代の終わり頃、BROOKLYNの夕暮れ時、路地裏を一人の少年が歩いていた。グリースヘアにブルージーンズ、コットンシャツの袖をまくり上げ、そこにタバコのパッケージをたくし込んでいた。
 仲間とのばか騒ぎに飽きて、家に帰る途中、薄暗い路地を曲がると、そこに血を流した大きな犬が横たわっていた。誰かが(この街か、隣街のギャングだろう)走っている車から放り出したのか、動く事も出来ず、首だけを起こしてこちらを睨みつけている。


 普段は、ギャングを気取って仲間とプロスペクトパークにたむろし、黒い錆び止め塗りのフォードを乗り回しては喧嘩に明け暮れる彼だったが、その、こちらを睨みつける目を見ているうちに、「このままここで死なすわけにはいかない、親父の従兄弟の獣医に診てもらえば助かるかもしれない、それに、こいつの目はなかなかいい目をしているじゃないか。」と思うようになっていた。
 彼は、ビルのフェンスに垂れ下がっていた古びれた毛布をつかむと、間合いを詰め、相手が噛む隙を与える間もなく、突進し、その犬を抱え上げると一目散に走り出した。


 それから7ヶ月後、その犬はDOILと名付けられ、あの薄暗い路地で、砕けたガラスにまみれて横たわっていた事を感じさせない程すっかり美しい姿に成長し、いつも彼の側にいた。
 最初は仲間達も、死にかけた犬を助けるなんてと馬鹿にしていたが、今では、通りを歩く時などは、DOILを先頭に誇らしげに闊歩するようになっていた。


 ある夏の日、仲間達とソーダを飲みに立ち寄ったダイナーのウィンドウにこんな張り紙を見つけた。"BROOKLYN FAIR-ANTIQUE MARKET,DOG SHOW-PROSPECT PARK 5.AUG.1959"。
 彼は、ソーダのストローをもてあそんでいる仲間の肩を叩きながらこう言った。「DOILをこのショウに出してみたら、どうだろう?」一瞬の沈黙の後、仲間達は一斉にしゃべりだした。「そうだ、俺たちのDOILが負けるわけないよな」


 その八月の日、プロスペクトパークの会場にいた大勢の犬達の中からDOILは見事優勝を勝ち取った。仲間達はもちろん、普段は厳格で仲間達との付き合いも良く思っていなかった父親も、我が事のように喜んでいた。
 翌日の地元紙には誇らしげに見えるDOILの記事が載っていた。今でもその新聞の切り抜きは、丁寧に額に収められ、彼の家の居間に飾られている。


という架空の話に登場するBULLDOG、DOILがモチーフになっています。
BROOKLYN,1959と言えば、写真家、BRUCE DAVIDSONの"BROOKLYN GANG 1959 SAMMER"という写真集が思い浮かびます。当時のBROOKLYNの若者の姿を捉えた写真集ですが、価格が高騰して、手に入れるのが難しくなっています。いつか手に入れたい物の一つです。
その写真集の中の雰囲気を取り入れつつ、創作してみました。


近日、THE RIGHT STUFFに登場します。


"BROOKLYN CHAMPION"
ステンシルTシャツ
Col.WHITE/BLACK TRIM,GRAY/BLACK TRIM
Size.32,34,36,38,40
Dealer.Dempsey Clothing

2011年4月28日木曜日

"GOOD LUCK CHARMS"

"GOOD LUCK CHARMS"
幸運のお守りの四ツ葉のクローバー。


 古くから、幸運のシンボルとされている四つ葉のクローバー、もともと、三つ葉のクローバーの成長過程での変異から生まれたもので、絶対数が少ない為に、見つけられると幸運が訪れると言われるようになったようです。
四つの葉はそれぞれ「希望、誠実、愛情、幸運」を象徴しているとされ、十字架とイメージを重ね合わせているとも言われています。

 グリーンに輝く四つ葉のクローバーと、それをを持つ右手を二つの版で表現しました。
単純な二色版構成ですが、古書の挿絵のような雰囲気が出るように、ブラック版の描線を工夫して抜いています。

"GOOD LUCK CHARMS"
ステンシルTシャツ
Col.White×Black Trim,Gray×Black Trim
Size.32,34,36,38,40

"GOOD LUCK CHARM"といえば、この曲が思い浮かびます。

2011年4月12日火曜日

"IMPERIAL SPORTING CLUB"

 SILK SCREEN PRINT
"IMPERIAL SPORTING CLUB"

BROOKLYN出身のコラムニスト、小説家のピート・ハミルの小説「ボクサー」原題"FRESH AND BLOOD"にインスパイアされて作ったデザインです。

 ピート・ハミルを知ったのは、公私ともに共通の話題の多い、THE RIGHT STUFFのW氏に勧められたのがきっかけでした。
 "NEW YORK POST"のコラムニスト出身の彼のエッセイ、自叙伝は、生まれ育ったBROOKLYNのアイリッシュコミュニティーの生活をそのまま伝える様な、厳格な父親、けして裕福ではない暮らし、自身の学業、アートスクール、様々な仕事、そして、近所のアイリッシュパブに集う酔っぱらいまで、アメリカ西海岸の陽気な文化とはまた違う、歴史ある移民の街、NEW YORK,BROOKLYNの魅力に引き込まれていったのです。

 BROOKLYNで生まれ育った十代のアイルランド人、BOBBY FALLONは、酒場で警官相手に事件を起こし、刑務所に収監される。そこで生き残る為にボクシングを始めるが、自身のボクサーとしての才能を開花させ、NEW YORKのトレーナー、GUSに見いだされる。


 出所後、自身に迷いを持ちながらも訪ねるのが、IMPERIAL SPORTING CLUBという、GUSのボクシングジムだった。
 BOBBYは自分の中の家族とのかかわりと戦いながら、自分の目の前のボクサーと戦い、実力をつけていく。着実に勝ち進み、次の大切な試合の前に、GUSがBOBBYに贈ったのが、真新しいローブだった。ローブの背中には、大きなグリーンのシャムロックが縫い付けてあり、その上に"IMPERIAL S C"という文字が縫い付けてあった。


 ローブを身にまとい、試合場に姿を見せたBOBBYの背中のシャムロックを見たとき、アイルランド人のファン達から凄まじい歓声が沸き起こった。

 小説の中に出てくる、アイルランドの誇りであるシャムロック(アイルランドの国花)と、ボクシングジムの名前、下には、BOBBY FALLONの名前を入れて、劇中の主人公のローブの背中をイメージしています。

シャムロックの葉には、FORTY ORIGINAL PRODUCTS, THE RIGHT STUFF, PETE HAMILLのイニシャルが入れてあります。

同じテーマのトートバッグも少量制作しました。




”IMPERIAL SPORTING CLUB"
プリントTシャツ
Col.White/Black
Size.36,38,40

"IMPERIAL GYM"
キャンバストートバッグ
Col.Natural
Size.390mm/300mm/90mm

Boxing Fighter Movies




"UNION MADE"

 FORTY ORIGINALステンシルTシャツ第三弾
 "UNION MADE"

 モチーフの元になっているのは、戦前のアメリカ製品に多くみられた、工業製品製造業の組合証"UNION LABELS"(別名UNION TICKET)
アメリカの工業、製造業の発展と共に労働者によって生まれた"UNION"
その結束を高める為に「労働者の手にする者はすべてUNIONの製品でなければならない」
と取り決めがあったそうです。

 今ではヴィンテージウェアと呼ばれるようになった当時のワークウェア等にもこの"UNION LABEL"はよく見られます。そのシンボルマークとして使われていたのが、握手する手の図案。組織の結束を意味するこのデザインに惹かれたのがきっかけで、古いアメリカの産業の歴史や工業製品、その質感などに興味を持つきっかけとなった印象深いデザインです。

こちらもブラックとバックグラウンドの2版で制作、バックグラウンドの色はイレギュラーでグリーン、イエロー、レッド等使用しています。

"UNION MADE"
ステンシルTシャツ
Col. White/Gray
Size. 34,36,38,40

"ADJUSTABLE COSTUME"

現在進行中の企画です。 
THE RIGHT STUFFにて、4/16(SAT),4/17(SUN)両日に行われる、ADJUSTABLE COSTUME来札イヴェントの、イヴェント限定販売


製作を担当させて頂いています。

 ADJUSTABLE COSTUMEオーナーデザイナーのK氏デザインのブランドロゴマークをFORTY ORIGINALでステンシル版におこし、プリント作業も一点一点手作業にて行います。

 元は単色デザインだったものを、ブランドイメージカラーのワインレッドとブラックの2版に分け、あえてステンシルらしさが出るように、作ってみました。

 バック首もとには、シリアルナンバーと、トリプルネーム三者のイニシャルがステンシルで入ります。
こちらも、各番号すべて一点一点新たに版を作成しています。
 今週末に向けて、着々と製作進行中です。詳しくはこちらをご覧ください

"ADJUSTABLE COSTUME×THE RIGHT STUFF×FORTY ORIGINAL"
TRIPLE NAME STENCIL T-SHIRTS
Col.White,Gray
Size.34,36,38,40



2011年4月8日金曜日

"SPEED TRIALS CHALLENGE"




ステンシルT-シャツ"SPEED TRIALS CHALLENGE"

 モチーフになったのは、アメリカユタ州ソルトレイクで毎年開かれる、"Bonneville Speed Trial Race"と呼ばれる、干上がった塩の平原をただ最高速をめざしてひたすらまっすぐ走るという単純なレース。
このレースは歴史が古く、1910年代には、すでにこの場所でレースが行われ、1930年代には、本格的なインターナショナルレースとして、各地から挑戦者が集まっていたようです。アンソニー・ホプキンス主演の映画「世界最速のインディアン」でも古い時代の(舞台は1960年代、乗っているインディアンは1920年製!)レースの様子を観る事ができます。

中央の1934年Ford Coupeは、ボンネビルレーサースタイルと呼ばれる、屋根をチョップし、ノーズには流線型のグリルをはめ込み、スチールホイルにホイルキャップという、空力を意識した1950年代頃からのトラディショナルな手法で作られたスタイルで、「せっかく本気な車作ったんだから、お揃いのT-シャツ作っちゃおうぜ!」という、単純明快ななレースに単純なノリのチームメンバー達という、アメリカ的な雰囲気で描いてみました。
実際、本場のトラディショナルなHot RodderやRacerは中年、熟年の方が多いようです。
やんちゃな大人の本気の遊びというところでしょうか?

"Speed Trial Challenge"
ステンシルT-シャツ
Col.White/Gray
Size.34,36,38,40

自走でレース。
意外とのんびりしたスタート。
アンソニー・ホプキンス「世界最速のインディアン」